懐かしい。
過去を懐かしむことはよくあるだろう。
あの時はこうだった、あの時はあれしてたなとか。
特に、大人になると学生時代のことを懐かしく思う時が来るだろう。
その当時楽しかった思い出や、面白かったこと、悲しかったこと、辛かったこと。
あの時は良かったって思う人もいるだろう。
社会に出たら、もっと学生の時に遊んでおけばと思う人もいるだろう。
昔の方が楽しかったと思う人もいるだろう。
昔に戻りたいって言う人もいるだろう。
懐かしむことは悪くない。
けど、昔の方が良かった、戻りたいって言うのはよくない。
過去の良かったことに縋るのは人として成長していかない。
じゃあ、今は良いことは起きていないのか。
そんなことはないだろう。
昔と違った良いことが今何かあるはず。
人は過去を美化したがるもの。
本当に過去は良かったのか。
それは勿論良かったものも沢山あっただろう。
しかし、それと同時に辛いこともあっただろう。
今も勿論辛いことはあるだろう。
会社での仕事であったり、人付き合いであったり。
昔も良かったことだけではないはずだ。
結果的に今も昔も良かったことも辛いこともあるだろう。
それが、今辛いことがあった時に人は過去の良かったことに縋る。
人は大人になるにつれて、楽しいことや良いことを探すのが下手になっていく。
時間が無くなったからだというのは甘えである。
大人になればなるほど、人の持つ情報は多くなる。
本当なら、昔より楽しいことだって出来るはず。
それなのに人は勝手に昔の方がと、思い込む。
今も昔も良いことと悪いことは同じぐらいなんだ。
それを勝手に悪いことの方が多いと決めつけ、過去に縋る。
今の方が楽しい。
昔のあれも良かったが、今のこれも良いと思えればいい。
懐かしむのはいいことだ。
自分の辿ってきた思い出を思い返すのは幸せなことだろう。
だが、昔の方がと考えるのはやめよう。
今も昔も良いことも悪いことも考えてみれば、同じぐらいのものなんだ。
よくよく考えてみれば、ちゃんとバランスよく成り立っている。